福寿園関連書籍
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- 福寿園関連書籍「介護現場で生まれたマジックワード100」
介護職に就いている人、これから就こうという人、家庭で介護に悩んでいる人、そんな人に役立つ癒しの言葉の数々。施設でお年寄りに接する職員の生の声、入居者との交流の中から生まれた100のマジックワードを紹介しています。
一つひとつの小さな物語には、笑顔の輪を広げるためのヒントがあります。
これから一緒に、
できることから考えていきましょう。
ケアマネジャーとして初めてあるご家庭を訪問した日。家事や農作業に加え、認知症の姑のお世話に疲れ果てたお嫁さんの話は、1時間近く続きました。
「自分の時間なんてない。夫は何もしないどころか、話も聞いてくれない。子どもたちの受験も控え、これからどうすればいいのか...」。溜まりに溜まった日頃の不満や、襲いかかる目に見えない不安から逃れようとする、悲痛な叫びでした。
胸の内をさらけ出してくれたお嫁さんに対し、私が「これから一緒に、できることから考えていきましょう」と話しかけると、お嫁さんは、じっとしばらく黙り込んだ後、大粒の涙をこぼしました。
「あなたのそばで、いつも一緒になって考えていきます。一人じゃないんだよ。いつも心配しています」。そんな気持ちが伝わって、お嫁さんの気持ちが楽になり、ご家族の気持ちが一つになっていくことを願っています。
(ケアプランセンター・介護支援専門員)
何言っとるの。
早苗さんのためなら。
特別養護老人ホームで暮らす早苗さんは、糖尿病の合併症で入院して片足を切断され、食事もあまり取れない状態で戻ってきました。週に一度、デイサービスに通ってくるご主人に会うことを、何よりの楽しみにしています。
身体を起こしていることが体力的にきついようで、食堂で車椅子に乗ったまま食事をした後、すぐに「ベッドに寝かせておくれ」と切ない声で懇願されます。
いつものようにベッドに寝かせて、テレビをつけて、カーテンを引くと、「悪いわね。ごめんよ。ありがとうね」と申し訳なさそうに話します。
そんなとき、「何言っとるの。早苗さんのためなら」と明るく返します。人の手を煩わせているという早苗さんの気持ちを、少しでも和らげ、ここにいることが幸せだと感じてもらいたいです。
(特別養護老人ホーム・介護職員)
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